公開日:2025年4月16日 | 最終更新日:2025年4月16日
この記事では、近年美容室で大人気の「髪質改善」について、その仕組みから施術の種類、効果の持続期間、自宅でのアフターケア方法まで徹底解説します。単なるトリートメントとの違いや、自分に合った髪質改善メニューの選び方も紹介しているので、髪の悩みを根本から解決したい方は必見です。
Contents
目次
- 髪質改善とは?一般的なトリートメントとの違い
- 髪の構造と髪質改善の仕組み
- 美容室で受けられる髪質改善の種類
- 髪質改善のメリット・デメリット
- 髪質別おすすめ髪質改善メニュー
- 髪質改善の料金相場と持続期間
- 髪質改善後のホームケア方法
- よくある質問
- まとめ
髪質改善とは?一般的なトリートメントとの違い
「髪質改善」という言葉を美容室のメニューでよく見かけるようになりましたが、実際には何を意味するのでしょうか?
髪質改善とは、髪の内部構造にアプローチして根本的に髪の状態を良くする施術のことです。単に見た目を一時的に良くするだけでなく、傷んだ髪の内部を修復し、健康な状態に戻すことを目指しています。
一般的なトリートメントとの決定的な違い
比較項目 | 通常のトリートメント | 髪質改善トリートメント |
---|---|---|
アプローチする部分 | 主に髪の表面 | 髪の内部構造まで |
効果の持続性 | 数日~2週間程度 | 1~3ヶ月程度 |
使用成分 | コーティング剤が中心 | タンパク質補給成分、キューティクル補修成分など |
施術時間 | 20~40分程度 | 60分程度 |
価格帯 | 2,000円~5,000円 | 5,000円~20,000円 |
通常のトリートメントは、髪の表面に栄養分や保湿成分をコーティングすることで、一時的に手触りをよくする効果があります。しかし、何度かシャンプーをすると効果は失われてしまいます。
一方、髪質改善は髪の内部のダメージに直接アプローチするため、効果が長続きするのが特徴です。つまり、「その場しのぎ」ではなく「根本的な解決」を目指す施術と言えるでしょう。
髪の構造と髪質改善の仕組み
髪質改善の仕組みを理解するためには、まず髪の構造を知ることが重要です。
髪の基本構造
髪は大きく分けて次の3層構造になっています:
- キューティクル(毛表皮):髪の最も外側の層で、魚のうろこのように重なった保護層
- コルテックス(毛皮質):髪の中間層で、髪の強度や弾力性を決定する部分
- メデュラ(毛髄質):髪の中心部分(太い髪にのみ存在する場合も)
髪が傷む仕組み
カラーリングやパーマなどの化学処理、熱ダメージ、紫外線などの影響により、まずキューティクルがめくれ上がります。キューティクルが損傷すると、内部のコルテックスまでダメージが及び、髪内部のタンパク質(ケラチン)や水分が失われていきます。
これが「傷んだ髪」の正体です。
髪質改善の科学的メカニズム
髪質改善トリートメントは、次のようなメカニズムで髪を内部から修復します:
- キューティクルの修復と保護:キューティクルを整え、閉じる
- タンパク質(ケラチン)の補給:失われたタンパク質を補充
- 水分バランスの回復:適切な水分量を維持できる構造に修復
- 髪内部の結合の再構築:切れたジスルフィド結合を修復
これらのプロセスにより、髪は内部から健康な状態に近づいていきます。
美容室で受けられる髪質改善の種類
現在、美容室で受けられる髪質改善には、主に以下のような種類があります。
1. 酸熱トリートメント(サンネツ)
酸熱トリートメントは、酸性の薬剤と熱を組み合わせた施術で、現在最も人気のある髪質改善方法の一つです。
特徴:
- 酸性の薬剤を髪に塗布し、熱を加えることでキューティクルを引き締める
- 髪の内部のタンパク質を補給・定着させる
- 髪の pH バランスを整える
効果:
- 髪のうねりやくせ毛の軽減
- 髪の芯から潤いのある状態に
- 手触り・ツヤ感の向上
- 効果は通常2~3ヶ月持続
2. 水素トリートメント
水素トリートメントは、水素の還元力を利用して髪のダメージを修復する革新的な施術方法です。
特徴:
- 水素の還元作用によりダメージ部分を修復
- 髪内部の活性酸素を除去
- 低刺激で頭皮や髪に優しい
効果:
- カラーやパーマのダメージ軽減
- 髪の柔軟性とコシの回復
- 髪のパサつき・広がりの改善
- 効果は約1~2ヶ月持続
3. ケラチントリートメント
ケラチントリートメントは、髪の主成分であるケラチンを直接補給する施術です。
特徴:
- 高濃度のケラチンタンパク質を髪に導入
- 熱処理により髪内部に定着させる
- 髪の内部構造を補強
効果:
- 髪の強度・弾力性の向上
- カラー持続性の向上
- 髪のまとまりの改善
- 効果は約2~3ヶ月持続
髪質改善のメリット・デメリット
どんな施術にもメリットとデメリットがあります。髪質改善も例外ではありません。
メリット
- 効果の持続性が高い
- 一般的なトリートメントと比べて効果が長続き(1~3ヶ月)
- 徐々に元に戻るため、効果の切れ目が目立ちにくい
- 根本的な髪質の改善
- 表面だけでなく内部から修復するため、根本的な改善が期待できる
- 繰り返し施術することで、髪質が徐々に改善していく
- スタイリングの簡易化
- 髪のまとまりが良くなるため、朝のスタイリング時間が短縮
- ドライヤーやアイロンの使用頻度を減らせる可能性
- 髪への負担軽減
- 健康な髪に近づくため、日常的なダメージに強くなる
- 長期的に見れば髪の傷みの進行を遅らせる効果も
デメリット
- 価格が高め
- 通常のトリートメントよりも料金が高い(5,000円~20,000円程度)
- 効果を維持するには定期的な施術が必要
- 時間がかかる
- 施術時間が長い(60分~120分程度)
- 予約が取りにくいサロンもある
- 即効性に欠ける場合も
- 髪のダメージが激しい場合、1回の施術で劇的な変化は期待できないことも
- 効果を実感するには複数回の施術が必要な場合がある
- 相性の問題
- 髪質や頭皮の状態によっては、効果に個人差がある
- すべての髪の悩みに対応できるわけではない
髪質別おすすめ髪質改善メニュー
自分の髪質に合った髪質改善メニューを選ぶことが、効果を最大化するポイントです。
乾燥・パサつきが気になる方
おすすめ:ケラチントリートメント、TOKIOトリートメント
乾燥して水分量が少ない髪には、保湿力の高いケラチンや高濃度の栄養成分が含まれるトリートメントがおすすめです。これらは髪の内部に水分を閉じ込め、うるおいのある髪に導きます。
くせ毛・うねりが気になる方
おすすめ:酸熱トリートメント、水素トリートメント
くせ毛やうねりは、髪の内部構造の乱れが原因です。酸熱トリートメントは髪の構造を整えてくせを軽減し、水素トリートメントは髪の還元作用でダメージを修復することでうねりを抑えます。
ダメージヘアの方(カラー・パーマ繰り返し)
おすすめ:酸熱トリートメント
化学処理によるダメージが蓄積した髪には、修復力の高い酸熱トリートメントが効果的です。ダメージ部分を内側から修復し、健康な髪に近づけます。
細毛・コシが欲しい方
おすすめ:ケラチントリートメント、TOKIOトリートメント
髪にボリュームやコシを出したい方には、髪を太く見せる効果があるケラチンや、弾力性を高めるTOKIOトリートメントがおすすめです。髪の内部にタンパク質を補給し、ハリのある髪に導きます。
カラーの色持ちを良くしたい方
おすすめ:酸熱トリートメント、TOKIOトリートメント
カラーの色持ちを良くするには、キューティクルをしっかり閉じる酸熱トリートメントや、カラー持続性を高める効果があるTOKIOトリートメントが適しています。髪の表面を整えることで、色素の流出を防ぎます。
髪質改善の料金相場と持続期間
髪質改善の費用対効果を考えるうえで、料金と効果の持続期間は重要なポイントです。
髪質改善の料金相場
施術の種類 | 料金相場(ショート) | 料金相場(ミディアム) | 料金相場(ロング) |
---|---|---|---|
酸熱トリートメント | 8,000円~12,000円 | 10,000円~15,000円 | 12,000円~20,000円 |
水素トリートメント | 6,000円~10,000円 | 8,000円~13,000円 | 10,000円~16,000円 |
ケラチントリートメント | 7,000円~11,000円 | 9,000円~14,000円 | 11,000円~18,000円 |
ハホニコトリートメント | 5,000円~9,000円 | 7,000円~12,000円 | 9,000円~15,000円 |
TOKIOトリートメント | 8,000円~12,000円 | 10,000円~15,000円 | 12,000円~20,000円 |
※料金はサロンの立地や施術者のランク、組み合わせるオプションなどによって変動します。
効果の持続期間
施術の種類 | 平均的な持続期間 | 持続期間に影響する要素 |
---|---|---|
酸熱トリートメント | 2~3ヶ月 | ホームケアの質、シャンプーの種類、ヘアカラーの頻度 |
水素トリートメント | 1~2ヶ月 | 髪のダメージ度、洗髪頻度、紫外線暴露量 |
ケラチントリートメント | 1~3ヶ月 | アフターケア、ヘアスタイリング方法、熱ツールの使用頻度 |
ハホニコトリートメント | 1~2ヶ月 | 使用するシャンプー、ヘアカラーの有無、水質 |
TOKIOトリートメント | 2~3ヶ月 | 髪の状態、生活習慣、ホームケア製品 |
コスパを考えるポイント
一般的なトリートメントは1回あたり2,000円~5,000円程度で、効果は数日~2週間程度です。月に2回行うと考えると、月額4,000円~10,000円のコストになります。
一方、髪質改善は1回あたり5,000円~20,000円程度ですが、効果は1~3ヶ月持続します。効果の持続期間を考えると、長期的には費用対効果に優れていると言えるでしょう。
髪質改善後のホームケア方法
髪質改善の効果を最大限に引き出し、長持ちさせるためには、適切なホームケアが欠かせません。
正しいシャンプー方法
- ブラッシングしてから洗う
- シャンプー前にブラッシングして髪の絡まりをほぐし、汚れを浮かせる
- お湯の温度は38℃前後に
- 熱すぎるお湯は頭皮の皮脂を過剰に落とし、髪を乾燥させる原因に
- シャンプーは泡立ててから使用
- 手のひらでしっかり泡立ててから頭皮に乗せる
- 爪を立てずに指の腹で優しくマッサージ
- すすぎはしっかりと
- シャンプー剤が残らないよう、丁寧にすすぐ
髪質改善後におすすめのシャンプー・トリートメント選び
髪質改善後は、アミノ酸系シャンプーやノンシリコントリートメントがおすすめです。特に以下の成分が含まれる製品を選びましょう:
- 保湿成分:セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン
- 補修成分:ケラチン、18-MEA、加水分解シルク
- エイジングケア成分:ビタミンE、アルガンオイル
また、髪質改善の種類に合わせたホームケア製品を使用すると、より効果的です:
施術の種類 | おすすめのホームケア製品 |
---|---|
酸熱トリートメント | 弱酸性シャンプー、アウトバストリートメント |
水素トリートメント | アミノ酸系シャンプー、水分補給型トリートメント |
ケラチントリートメント | タンパク質配合シャンプー、補修型トリートメント |
日常生活での注意点
- 熱ダメージを最小限に
- ドライヤーは必ず15cm以上離して使用
- ヘアアイロンを使う際は必ず熱保護スプレーを使用
- 可能な限り低温設定で使用
- 紫外線対策を忘れずに
- 日差しの強い日はUVカット機能付きのヘアミストやスプレーを使用
- 長時間の外出時は帽子の着用を
- 定期的なケアを習慣に
- 週1回はホームトリートメントやヘアパックを実施
- 3ヶ月に一度は美容室でのメンテナンスを
よくある質問
Q: 髪質改善は縮毛矯正と何が違うのですか?
A: 縮毛矯正が髪を物理的に真っ直ぐにすることを目的としているのに対し、髪質改善は髪の内部構造を健康な状態に戻すことを目的としています。縮毛矯正はアルカリ剤を使用するため髪へのダメージが大きいですが、髪質改善は髪に優しい酸性の薬剤を使うことが多く、ダメージを修復する効果があります。
Q: 髪質改善はカラーと同時にできますか?
A: 基本的には可能ですが、施術の種類やサロンのメニュー設定によります。同日に行う場合は通常、カラー→髪質改善の順で行います。ただし、髪のダメージが激しい場合は、別日に分けることをおすすめする美容師さんも多いです。
Q: どのくらいの頻度で髪質改善を受けるべきですか?
A: 髪質や生活習慣、使用している施術の種類によりますが、一般的には2~3ヶ月に1回程度が目安です。効果を感じなくなってきたタイミングや、髪の状態を見て判断するとよいでしょう。
Q: 髪質改善は髪を伸ばしている途中でも受けられますか?
A: はい、受けられます。むしろ、髪を伸ばしている最中こそ髪質改善がおすすめです。伸ばしている間に髪の状態を良好に保つことで、枝毛や切れ毛を防ぎ、理想の長さまで健康に伸ばすことができます。
Q: 自宅でできる髪質改善はありますか?
A: 完全に美容室の施術と同じ効果を得ることは難しいですが、家庭用の髪質改善トリートメントキットも市販されています。また、定期的なヘアパックや正しいヘアケア習慣を続けることで、ある程度の改善効果は期待できます。
まとめ
髪質改善は、単なる表面的なケアではなく、髪の内部から健康な状態に戻すための施術です。酸熱トリートメント、水素トリートメント、ケラチントリートメントなど、様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
自分の髪質や悩みに合った施術を選び、適切なホームケアと組み合わせることで、理想の髪質に近づけることができます。初期投資は一般的なトリートメントより高めですが、効果の持続性を考えると長期的にはコスパの良い選択と言えるでしょう。
美しい髪は日々のケアから生まれます。この記事が、あなたの髪質改善の一歩となれば幸いです。